2020 02.11 tue

日本は西から東
ハワイは東から西
お天気の秘密

West to East in Japan, East to West in Hawaii?
What’s the Secret of Weather?

「ハワイの天気」と聞いて、何を思い浮かべますか?
「一年中温暖な気候」? 「雨がざっと降って虹が出る」?
今日はもう少し踏み込んだお話をしてみたいと思います。

日本の天気は西から東

日本では、おもに天気は西から東へと移り変わることをみなさんご存知かと思います。これは「偏西風」という風によるもの。偏西風は北半球では南西から、南半球では北西から吹いてきます。日本は北半球にあるので南西からの偏西風が吹いており、この風の流れに乗って天気が西から東へと変化するのです。

ハワイの風は、東から西

偏西風は、緯度が南北35度から65度の地域で吹いている風。ハワイはオアフ島ホノルルが北緯21度に位置するので、この範囲外です。このような赤道を挟んで南北30度以下の地域はというと、偏西風ではなく「貿易風」と呼ばれる風が吹いています。北半球では北東から、南半球では南東から吹いている貿易風。北半球にあるハワイでは、北東から吹いています。

島の抱える山塊

日本と同じように、ハワイの主な島々は内陸に山塊を抱えています。北東から吹いてくる貿易風は、海からの湿気をはらんだままこの山々にぶつかり、そして島の北東側に多くの雨を降らせます。逆に島の南西側はからりとした気候。そのため、ハワイのリゾート地の多くは南西海岸に位置しています。ハワイ島でも、島の東側にあるヒロは雨の町、西側のコナは黒い溶岩石に背の低い植物だけがまばらに生える乾燥地帯になっています。

雪景色から南国情緒まで

東西の差に加えて、ハワイの気候を特徴づけるのは標高差。特にハワイ島、マウイ島はそれぞれマウナケア山(標高4207m)、ハレアカラ山(標高3055m、写真)という高い山岳を擁します。そのため、数十分のドライブでも環境・気候はドラマチックに変化。冬季の山頂付近は雪化粧に彩られますが、海岸線では1年中半袖で過ごすことができてしまいます。そしてその中腹に広がるのは、朝晩冷涼な高原地帯。マウイ島でいえば、このエリアの気候を利用して、マウイゴールドパイナップルや、マウイオニオンなどが栽培されています。

次回ハワイのトピックに触れる際には、そんな気候の特徴を頭の隅に置いてみてください。エリアごとの表情が、より立体的に浮かび上がってくるはずです。