収穫されたばかりのマカダミアナッツ、どんな状態かご存知ですか? 冒頭の写真がそれです。お馴染みのチョコレートに入っている白いナッツの姿とは、見ての通りだいぶ異なります。
「収穫して!」って、ナッツが言う
今回訪問したのは、ハワイ島北部カワイハエに工場を構える「ハマクアマカダミアナッツカンパニー」。工場の外には畑から運ばれてきたナッツがうず高く積み上げられています。
「マカダミアナッツは、収穫の時期を自ら教えてくれる。木から地面に落ちたときが収穫のベストタイミングなんだ」
社長のジェフがそう教えてくれます。木から落ちたばかりの実の外側は緑色。乾燥が進むと茶色く変化していきます。落ちたらなるべく時間を空けずに収穫するのがポイント。人による収穫のほか、地面をさらっていく収穫用マシンを使うこともあるのだそうです。
取り除くべき殻は2段階
一番外側の殻は「ハスク」と呼ばれます。乾燥すると縦に割れ、中から茶色い実がちらりと顔を出します。この皮を「ハスカー」という機械で取り除くのが、ナッツ加工最初の工程です。
「ハスクを取ったら、次は貯蔵庫へ。7日から10日かけて乾燥させるよ。そこでナッツの水分量を20%から1.5%程度にまで落とすんだ」
そうすることでナッツが小さく縮み、2枚目の殻「シェル」とナッツの間に隙間が生まれます。これにより、シェルを取り除くためのクラッカーという機械を通す際に、中の実を極力傷つけなくてすむのだといいます。
味の決め手は「17分間」
お馴染みの姿のナッツの中身が出てきたら、まずは仕分け。色の茶色いものは皮の成分が残っていて若干味が落ちるため、ダイスに砕いて加工する製品に使います。色の白いナッツは仕分けされたのち洗浄、そしてロースト。約130℃のトンネル型オーブンを約17分かけて通ることでこおばしい香りが加わります。焙煎後にもう一度機械選別、そして最後に人の目でも選別して、ようやくパッキングされるのです。
いつ何気なく食べているマカダミアナッツ、収穫から製造工程、そして私たちの口に入るまでの旅路を思うと、なんだかちょっと感慨深いものがありますよね。