2019 04.30 tue

ハリケーン、豪雨…
2018年の異常気象と
タロイモファーム

Weather in 2018 Was Just Crazy!
What Did Hurricane and Rain Do to Taro?
TARO BRAND

「2018年は本当に大変な年だった。豪雨が何回もきて、そのあとハリケーンも……」
カウアイ島、ハナレイでタロイモを育てるマーク・コガはそう振り返ります。9農家、合計150エイカーのタロイモ畑が広がるこの場所は、島北部の美しい谷地。畑に水を引き入れて栽培するタロイモにはうってつけですが、雨が続くとその水が集まってくる場所でもあります。
「4月の豪雨は特に記録的だったね。1日に1m以上降ったこともあった。ハナレイタウンも水没してしまったんだ」
同じくタロイモ農家のロドニー・ハラグチも、驚きをもってそう続けます。

農産物の価格が変動するということ

異常気象が続けば、野菜や果物の値段が上がることは暗黙の了解のように思います。しかし、加工品となるとその意識が少し薄らぎはしないでしょうか。出荷されたタロイモの多くは、蒸してすりつぶされ「ポイ」という伝統食に加工されて店頭に並びます。その価格も農場の状況によって左右されて当然なのですが、なかなか理解されがたいのが現状です。
「ハワイはみんなが思っている以上に、島によって天候が違うんだ。カウアイで異常気象でも、オアフにはほとんど影響がないこともある」
なるほど、ロドニーの言葉にはっとさせられます。

なぜ、タロイモなのか

タロイモは植え付けから収穫までに、12カ月から14カ月ほどを要します。数カ月で収穫できるほかの野菜を、保険の意味でも併せて栽培することはしないのでしょうか?
「マークのとこも僕のとこも、昔は野菜も育てていた。でも、野菜は洪水がくると全滅なんだ。でもタロは、洪水の被害にあってもまだいくらかは収穫できる」
「そう、洪水のあとにまた生えてくるし、強いんだ。今回なんて、畑の水位が上がったら、それに合わせて茎が長くなっていた。環境の変化に対応したんだ、すごいよね」
雨水で山の土が流れ込むと、その栄養分がタロイモの成長を余計に促し、背丈が人の背ほどになってしまうこともあるとか。タロイモの生命力おそるべし。でも、あまりに成長すると畑に入るのも大変なんだそうです。
今ごろ収穫されるタロイモは、2018年4月の豪雨の後に植えられたであろうもの。いただく際には、農家さんの労力を思い浮かべられる想像力をもちたいものです。

この商品にまつわる出来事

BRAND ブランド紹介

TARO BRAND
タロブランド オアフ島

1946年、小さなポイ製造所としてスタートしたHPC社の、タロイモを使った商品ラインが「タロブランド」。「ポイ」とは、タロイモを蒸してすりつぶし、発酵させた伝統食。高い栄養価と非アレルギー性であることから、離乳食としても注目されています。HPCは、このタロイモ文化を後世につなぐべく活動しているローカルカンパニーです。