2023 03.21 tue

国内製造? そこに
込められた想いとは

Making Hawaii Food in Japan
How Does This Make Sense?

「bowl」が、ハワイと一緒にできることは何か。そんなお話をしてくれているのは、bowlの運営会社であるSIMPLE COMPANYの代表、マックさんです。前回は、ハワイが島国であるゆえに、何を生産するにもコストがかかるというトピックに触れていました。
「そう、もちろんすべてハワイ産のもので生産して、正真正銘メイドインハワイの商品がつくれるならすばらしいんだけど、常にそうはいかない。ほとんどのメーカーが瓶やボトル、箱などの資材は他国から輸入することが多いし、たとえば食材だって、ハワイの工場ではなかなか大量生産ってことが難しいから、アメリカ本土なんかからの輸入に頼っているところがほとんど。砂糖なんて、まさにそうだよね」
ハワイはかつて、さとうきびのプランテーションで一時代を築いた場所。でも、価格競争で本土に負けて、いまではほとんど商業生産されていません。

日本生まれのハワイアンフード

「すべてハワイ産のものにこだわると、それは結果、生産者の可能性をせばめてしまうことになると思うんだ。すでに材料や資材をハワイの外に頼っているならば、たとえば生産拠点だって、別の場所に持ってもいいって、僕たちは思っています」
ん? それってつまり、ハワイブランドの食品を、ハワイ以外で製造するってことですか?
「その通り。じつはね、もうすでにSIMPLE COMPANYでは、かなり多くのハワイブランド商品を、日本国内で生産しているんだ。たとえば、コーヒーはハワイから生豆の状態で輸入して、国内で焙煎している。日本のお客さんの希望に合わせて100%ハワイ産にすることもブレンドにすることも自在だし、何より消費地の近くで焙煎したほうが、よりフレッシュな状態でお届けできるからね」

ハワイの夢を叶えるお手伝い

「bowlの人気商品、タロブランドタロパンケーキミックスは、タロパウダーを現地から輸入して、それを日本でミックス、梱包。日本には小回りのきく生産工場がたくさんあるので、そのほうが安定供給できるんです。あと、今回の写真に写っているような冷凍の商品。飲食店に卸す商品である、マウイゴールドパイナップルのピューレ、マウイオニオンのソテーなんかは、原料となるくだもの、野菜をハワイから輸入して、国内で加工しています。生鮮のまま日本で流通させようと思ったら鮮度が落ちる一方だけど、加工することで販路も広がる」

なるほど。でも、ちょっとひっかかるのは…、ハワイのブランドネームを掲げながらも日本で生産しているって、それを聞いたらがっかりするハワイファン…いないですかね?
「そのきもちもよくわかるよ。でもね、僕らが大事にしたいのは、現地の生産者の想いと夢なんだ。必要以上に“メイドインハワイ”にこだわって、予算や生産設備といった理由で、彼らがやりたいことが制限されてしまってはもったいない。僕らが日本で製造のお手伝いをすることで彼らの可能性がより広がったら、それってすっごく、わくわくしない?」
おお、なるほど。すっごく合点がいきました。ハワイの生産者の“夢を叶えるお手伝い”をする、それが「bowl」。マックさん、これからもいろいろとお話を聞かせてください。