2022 04.05 tue

1905年創業マウイ初の
ワイナリーを復活させよ
カウパカルア物語その2

Revive the Maui’s Oldest Winery!
Story of Kaupakalua #02
KAUPAKALUA WINE&LIQUOR

アメリカンフットボールの選手としてスペインでプレーしていたレオ・カイレス(写真右)。帰国後、代々家族内でつくられていたワインを一般向けに販売してはどうかと、父親(写真左)に話を持ちかけたところまでを前回ご紹介しました。2005年頃の話だといいます。
「そう、僕たちは酒類の製造販売免許を持っていなかった。それで、正式にワインをつくって販売できるようになるために、ハワイ州政府やマウイ群の免許申請手続きを始めたんだ」
屋号は、「カウパカルア ワイン&リカー」。1905年にレオの親族も含めて3名でスタートするも、禁酒法の影響でクローズしてしまったマウイ島最古のワイナリーの名前です。

役所で起きたミラクル

申請手続きを進めていくなかで、なぜこのネーミングにしたのかと、マウイ群の担当者から尋ねられます。
「この土地と歴史に敬意を払って、この名前以外ない、と思っていた。そう伝えると、一度事務所に来いっていうんだ」
するとその担当者が、おもむろに打ち合わせテーブルの上に古い書面を置きました。
「なんとそれは、1905年創業のワイナリー宛に発行された、当時の酒類製造販売許可証の控えだったんだよ」
100年以上前の資料がきちんと保管されていたことにも驚きますが、レオが申請した屋号を聞いてぴんと来た担当者もすばらしい! 感激したレオは、貴重なものを見せてくれてありがとう、そう心からの感謝の言葉を述べました。
「そうしたらさ、なんて言ったと思う? 差し上げます、って言うんだよ。この書類は、あなたたちファミリーが持っておくべきです、って」
こうしていまから10年前の2012年、新生カウパカルア ワイン&リカーが誕生しました。

地域からのウェルカム

「準備をしている段階では、醸造所となる我が家の近隣住民に周知もしなくちゃいけなかったんだけど、地域の人たちはすごく応援してくれたんだ」
かつてこの場所にワイナリーがあったことを、コミュニティは記憶していました。レオたちのようにポルトガルからの移民をルーツにもつ人々にはワイン好きも多く、非常に歓迎されたといいます。
「主力商品は、リリコイワインだよ!」
え? リリコイ? ぶどうじゃないの? またまた次回に続きます。

BRAND ブランド紹介

KAUPAKALUA WINE&LIQUOR
カウパカルアワイン&リキュール マウイ島

マウイ島北部、カウパカルアにあるワイナリー。一度は禁酒法の影響で廃業した1905年創業のマウイ島初のワイナリーを、カイレスファミリーが復活させました。旧ワイナリーのあった土地に暮らす彼らは、ワインづくりの盛んなポルトガルからの移民の血筋。家族に伝わるレシピをもとに、リリコイ、グアバなどを使ったフルーツワインを製造しています。