2021 11.09 tue

常温?冷凍?冷蔵庫?
これでもう迷わない!
コーヒー保管、虎の巻

This Is the Bible for All!
How to Keep Your Coffee Fresh

コーヒーマスター、ロッシ国枝さんにお話を伺い始めて、すでに4回目。今回でひとまず最終回です。気になっている人も多いであろう、コーヒー豆の保管について教えていただきます。

とにかく、空気が天敵!

「豆は、空気に触れて酸化することで劣化します。極力袋の中の空気を抜いて、しっかりと密封することが鉄則です。表面積が増えると、酸化が早くなる。これが、挽いた豆のほうが劣化が早いといわれる所以です」
冷暗所に保管し、なるべく早めに飲み切る。夏場など温度の上がる季節は、冷蔵庫に入れることがおすすめだと話します。よく、コーヒー豆は冷凍庫で保管すると劣化しない、という話を耳にしますが…
「基本的に、冷凍保管はおすすめしません。どんな食材でも、冷凍・解凍を繰り返したらおいしくないのと同じで、急激な温度変化は好ましくないです」
ただし、たくさんあり過ぎてすぐには飲めない豆がある、という場合などは、長期保存のために一定期間冷凍庫に入れておくというのは一手だといいます。

酸化の主役は油だった

酸化とは、主に豆の表面の油分が酸化することをいいます。焙煎が高い方が脂が出やすく、特に夏場は注意。いわれてみると、深煎りの黒っぽい豆の表面がぎらりと油で光っている光景をよく見るように思います。油は腐るので、使ったあとのコーヒーメーカーなどの器具は、しっかりと洗剤で洗うことが重要だとも国枝さんは話します。
「ちなみに、深煎りのコーヒーのほうが濃い印象があるかもしれませんが、浅煎りのほうが成分が飛んでいない。つまり、豆に残っているカフェイン量も多いんですよ」

3つの「たて」がポイントです

また、たまに見かけるパンパンに膨らんだ豆のパッケージ。これは焙煎後に発生する炭酸ガスが原因だといいます。コーヒー豆は、焼きあげた瞬間から炭酸ガスを放出。一般に大型販売店などに流通している真空パックの商品などは、「エイジング」といって焙煎後2、3日置いてある程度のガスを抜いてから包装をしているのだといいます。
「炭酸ガスが出ることで豆は劣化しますが、2、3日であれば大勢に影響はない。そこからどんなパッケージングをされるかのほうが、流通後のクオリティ保持に大きく関わってくるといえます」
保管はきっちりとしつつも、とにかく早く飲む。「焼きたて・挽きたて・淹れたて」。この3つの「たて」がおいしいコーヒーの秘訣だと伺ったところで、国枝さんのコーヒー講座はひとまずお開きです。