2021 10.12 tue

ハワイ産オリーブの実
収穫からオイルになる
その製造工程とは?

Hawaii-grown, bottled Olive Oil
This Is How It’s Produced
KEALAKEKUA BAY FARM

ハワイ島でオリーブを栽培する、ダグラス・マッカーナ。もともとサウスコナでコナコーヒーの栽培をしてきましたが、近年では加えて島の北部ワイキイでオリーブ畑も営んでいます。彼のつくるハワイ産のオリーブオイルは大変好評で、地元のショップでも観光客を中心に人気を集めています。

コーヒーとの決定的な違い

ダグラスの畑では、オリーブの実の収穫は秋から冬。畑の標高によって時期が異なるといいます。
「前回は、ワイメアのハワイ大学が所有する畑で育てているオリーブの収穫は、だいたい9月の後半。対してワイキイの畑の収穫は12月の中旬だったね」
ハワイ大学の畑は標高約850m、ワイキイの畑は1400m近く。標高が高く気温が低い場所では、実が育つまでに時間がかかるのです。
「オリーブがコーヒーと決定的に違うのは、収穫の回数。年に1回の収穫なんだ」
コーヒーの場合は、シーズンに5、6回周って、熟した実から収穫していくのが一般的。対してオリーブは、収穫時期が近付いたらこまめに実の成熟状態を確認し、完全に熟す直前にいっきに収穫するのだといいます。
「オリーブには、抗酸化作用の期待できるポリフェノールが豊富に含まれている。完全に熟す前の若い実のほうがこのポリフェノール値が高いから、そのタイミングで収穫するんだよ」

細胞の中にオイルは眠る

収穫されたオリーブは、葉などを取り除き洗浄。粗く粉砕された後に、「練り込み」と呼ばれる作業に進みます。
「粉砕しても、それだけじゃオイルは絞れない。ミキシングチェンバーという機械で30~40分練り込むことで細胞壁を破壊して、その中にあるオイルを抽出しやすくするんだ」
そこからいよいよ抽出の工程へ。圧力を使う方法もありますが、最近は遠心力を利用したマシンが主流となり、ダグラスもこの方法を採用しています。

ハワイとオリーブ、その関係

フレッシュでフルーティな味わいのハワイ産オリーブオイル。もっと昔からオリーブ栽培がされていてもいいのに、という疑問が浮かびます。
「じつは、ハワイ島の西と東を結ぶサドルロードの脇に、オリーブの木が生えているのを見つけたんだ。もう野生化していたけどね。ハワイには移民がたくさんいて、中にはポルトガルの人も多い。ポルトガルは、世界最大のオリーブ生産国であるスペインの隣だから、ポルトガルからの移り住んだ人が持ち込んだっていう可能性は高いよね」

ハワイとオリーブの数奇な歴史。これからどう発展していくのか楽しみです。

BRAND ブランド紹介

KEALAKEKUA BAY FARM
ケアラケクアベイファーム ハワイ島