2020 09.15 tue

ハワイ島西の火山は
恥ずかしがり屋さん
山と海との物語

Hualalai, the “Shy” Volcano
The Home of the World Famous Goodies

「フアラライ」という火山を、ご存知ですか? ハワイ島の火山というとハワイ最高峰のマウナケアや、現在も活発な火山活動が続くキラウエアが広く知られていますが、知名度で若干劣るのがフアラライ。島の西側に位置する、1801年に最後の噴火をした海抜2521メートルの休火山です。

「恥ずかしがり屋」の麓では

「フアラライ」は、ハワイの言葉で「恥ずかしがり屋さん」の意味。朝はくっきりとその稜線を確認できても、午後になるにつれて北東からの風に乗ってやって来るキラウエアの煙や雲で姿を隠してしまうことが名前の由来です。このフアラライ山麓では、世界的にも知られるある農産物が栽培されています。世界三大コーヒーのひとつ、コナコーヒーです。海抜約300から600メートル、南北に細長いこのエリアは「コナコーヒーベルト」と呼ばれ、適度な日照量、雨量、昼夜の寒暖差が良質なコーヒーを育むといわれています。

コナ沖の断崖絶壁

コナコーヒーベルトを越え、西側の海へと流れ込んだフアラライの溶岩は、島の最西端にあたるケアホレ岬を作り出しました。ここには海洋深層水を使ったシーソルトを生産する「コナシーソルト」のソルトファームがあります。ケアホレ沖(写真)の地形は急な断崖になっており、海底湧水も多いのが特徴。コナシーソルトでは、このケアホレ岬沖の水深約670mからミネラル豊富な海水をくみ上げ、じっくりと太陽の光を使って極めてナチュラルでシンプルなシーソルトに仕上げています。

海と山、この星の恵み

ハワイ最高峰のマウナケアは海抜4207メートルですが、海底からの高さではエベレストをしのぐじつに1万メートル超え。島を取り囲む海がそれだけ深いということを物語っています。神秘の海と、地球のエネルギーにより生まれ出でた山々。ハワイ島発の味を楽しむ際には、そんな雄大な景観を心に描いてみてください。