「買い物をするときって、単に商品の対価を支払うのではなく、自分が納得できる『価値』に対してお金を払うものだと思うの」
オアフ島でソルトブランド 「シーソルトオブハワイ」を運営するサンドラ・ギブソン。彼女は、品質の高い商品を送り出すことはもちろん、そこにプラスして「社会的意義」というものについて深く考えています。
島々の北西、世界遺産
「ハワイは、相手を思いやること、何かしてもらったら恩返しすること、そういう考え方をとても大切にしている文化」
海で囲まれたこの地で暮らしているうえ、海の恵みである塩をいただいているからこそ、とサンドラ。シーソルトオブハワイの売り上げの1%を、パパハナウモクアケア海洋国定遺跡区の保護活動のために寄付しています。この思わず噛みそうな名前の場所、じつは世界遺産。カウアイ島からミッドウェー海峡まで北西およそ2200キロにわたる海洋エリアで、珊瑚礁や岩礁からなります。一部過去に人が住んだ跡も残り、古代のハワイの人々にとって文化的にも非常に重要な場所だったと考えられています。現在は無人島群で、ハワイモンクアザラシ、アオウミガメなどの貴重な繁殖地となっています。
素材ひとつから考える
「ローカルのものを使うこと、リサイクル可能な素材を使うことも大切にしているわ」
太平洋のど真ん中に浮かぶハワイは、何をするにも資材を外部から持ち込まなければいけないことがほとんど。でも、「段ボールひとつでも、なるべくアメリカ産を使ったりね」配慮しているとサンドラは言います。
「ガラス瓶もきちんとリサイクルできるものを選んでいるの」
シーソルトオブハワイの商品を、おみやげとしてハワイから自国に持ち帰った場合、その容器の回収は不可能。でも、リサイクル事業への支払いはそれにかかわらずにするのだといいます。
それぞれは小さな取り組みですが、やらないよりやるほうがいい。そんな考えに賛同して買い物する、そういう目線もまた養っていきたいと思うのです。