2020 08.04 tue

ハワイ名物グルメは
シェア精神が原点?
プレートランチ物語

Hawaii’s Famous Plate Lunch
It’s a Spirit of Sharing

海外に行ったらファンシーなレストランもいいですが、地元の人たちに愛されるローカルフードを食べてみたいですよね。ハワイに行ったらぜひトライしてほしいのが、プレートランチ。しかも、フードトラックで移動販売しているような庶民的なものです。

「ごはんふた盛り」が基本

この「プレートランチ」、おかずやごはんをひと皿に、つまりひとつのプレートに載せるところからこう呼ばれます。もっとも、フードトラックで売られるものやテイクアウトの場合は、仕切りの入った蓋の閉まるランチボックス型の容器に入れられることが一般的。基本は、おかずに、ごはんを2スクープ分。これだけでも日本人には結構びっくりな量なのですが、ここにマヨネーズたっぷりのマカロニサラダがつくのが王道。価格は10ドル台がメインなので決して格安ではないですが、ハワイの物価とこのボリュームを考えるとじつにお得です。

シェアの精神

なんだかアメリカらしくてダイナミックだなぁ、なんて思うかもしれませんが、じつは本土ではあまり見かけないスタイル。フードトラックはよく出ていますが、ホットドッグとかサンドイッチ、プレッツェルなんてのがメインランドの定番です。デフォルトで白ごはんがついてくるお弁当形式というのは、じつはハワイの移民の歴史に深く関係しています。1800年代から1900年代の初頭にかけて、世界各地からハワイへ移民がやってきました。当時隆盛を極めたさとうきびプランテーションで働くためです。日本のほか、中国、韓国、フィリピン、ポルトガル、プエルトリコ…。彼らはお昼休憩のためにそれぞれお弁当を持ち寄り、おかずを分け合って食べたのがプレートランチの起源だといわれています。

高カロリーでこそ

それがゆえに、プレートランチのメインのおかずは国際色豊か。カルアピッグやラウラウなどの伝統食、旅行者にも人気のガーリックシュリンプなどのハワイの料理から、日本の照り焼き、お酢をきかせたフィリピンの煮込み料理「チキンアドボ」などさまざま。「フライドヌードル」と呼ばれるチャイニーズ風焼きそばをメインに選ぶと、そこに遠慮なくごはんが2スクープ添えられて、強烈な炭水化物コンボができあがったりします。
さとうきび農園での仕事は重労働。マカロニサラダがつくのも、エネルギーを必要とした当時の昼食の名残だとか。100年前に思いを馳せつつのローカルメニュー、次の渡航の際にはぜひ。