パンケーキにアサイーボウル。ハワイには、SNS映えするカラフルなスイーツがあふれています。でも、パンケーキはもともとアメリカ本土の一般的な食事、アサイーはブラジル原産。歴史的に移民が多く、世界各国から持ち込まれるさまざまな文化を柔軟に受け入れる土壌があるハワイだからこそ多様な食文化が根付き、独自の進化を遂げたともといえます。今日はそんなハワイのスイーツについて、ちょっと深堀りしてみましょう。
トレンド発信アイランド
パンケーキがハワイのスイーツとして認識されるようになったのは、人気のお店がハワイ発祥だったことがきっかけといわれます。もともとは、ワッフル、オムレツなどさまざまな朝ごはんを提供していたところ、パンケーキがおいしいと話題に。アサイーボウルはというと、これもブラジル発のアサイーブランドがハワイをきっかけにブレイクしたといわれています。豊富なビタミンなど栄養価の高いアサイーは、日光に当たる機会の多いハワイのサーファーに好まれた、そんな背景もあるようです。
はるばる海を越え
忘れてはいけない、あつあつ揚げたてに砂糖をまぶしたマラサダは、ハワイを代表するスイーツですよね。これ、じつはポルトガルが起源。1800年代にさとうきび畑で働くために海を越えた移民の人々によって持ち込まれたといわれています。現地では、キリスト教の復活祭に向けての断食期間の前に、油と砂糖を使い切るためのメニューだったとか。もうひとつ、我らがかき氷が元祖のシェイブアイス。日系移民が持ち込み、やがて日本にはない虹色のシロップなどハワイらしいオリジナリティが生まれました。
その味、心も満たす
もう少し伝統的なハワイアンフードに目を向けてみましょう。真っ白いゼリーのような「ハウピア」は、ココナッツミルクをいもなどのでんぷんで固めたスイーツ。あっさりとした味わいは、塩気の濃いハワイアンフードのあとにぴったりです。もうひとつご紹介したいのが「クロロ(写真)」。これは、タロイモを蒸してすりつぶした「ポイ」に、ココナッツミルクときび糖を加えて蒸したもの。しっとりとした蒸しパンといった食感で、少しういろうに似ています。素朴なやさしい甘さで、小腹が空いたときにぴったり。ハウピアもクロロも、ハワイのスーパーで売っていますよ。スイーツでハワイの歴史を時間旅行。そんな楽しみ方もありかもしれません。