2020 05.12 tue

変化があってこそ文化!
世界をひとつにする
ハワイの懐深さに学べ

Sharing Is Living
Learning from the Unique Culture in Hawaii

ピリ辛のマヨネーズで和えられたマグロ、オゴ(海藻)、そして青ねぎ。これを巻き寿司にしたら、衣をつけてカリッと揚げました。寿司職人が見たら卒倒しそうなメニューかもしれませんが、じつに美味! オアフ島カリヒにあるハワイアンチップカンパニーの向かいのカフェで購入したランチは、空腹と脳みそを同時に満たしてくれるような、ストレートなおいしさであふれていました。

「ハワイ原住民」って、誰?

移民の多く住むハワイ。日本、中国、韓国、フィリピン、ポルトガル…、多くはさとうきび農園で働く労働力としてはるばる海を越えてやってきました。そもそもハワイは大昔は無人島。およそ1500年前にほかのポリネシアの島から移住してきたのが最初の住民だというから、ハワイは本当に移民でつくられた島なのです。だからこそ、その食文化はじつに多様。冒頭でご紹介した揚げハワイアンカリフォルニアロール(?)も、この地で暮らす人々の文化にほかのカルチャーがミックスされて誕生したという意味では、れっきとした「ハワイ料理」といってもいいように思います。

世界の家庭料理図鑑

韓国生まれのキムチは、ハワイでは「Kimchee」。完全に市民権を得ており、ポテトチップやポップコーンでも「Kimchee Flavor」にはよく出会います。もうひとつこのキムチと同じようにハワイの日常に溶け込んでいるのが、「チキンアドボ」。鶏肉を酢やナンプラーでなどの調味料で煮込んだフィリピンの家庭料理で、いわば肉じゃが的存在。「Chicken Adovo Flavor」というのも、スーパーのスナック棚の常連です。

歩み寄って生まれる文化

もちろん、正当とされるものをきちんと味わってほしい、本物はこんな味だよ、というきもちもわいてきます。でも、100年以上前に命がけで海を渡って絶海の孤島で生活を始めたさまざまな人種の人たちが、それぞれの文化をシェアして新しいカルチャーを作り上げていったなんて、すばらしいと思いませんか? もっとも、ハワイには正統派の日本食をいただけるお店もたくさんありますから、共存していけばいいと思うのです。

グローバル化していく世界のなかで、いかにハッピーにわくわく暮らしていくか。そのヒントが、ハワイにあるかもしれません。