2020 04.28 tue

パイナップルウォッカ
味わいを決めるのは
独特の2度蒸留

Double Distilled Super Smooth Flavor
Fall in Love with Pau Maui Vodka!
HALIIMAILE DISTILLING

パイナップルだけを原料にしたウォッカがある――。
そういっても最初は信じてもらえないことがあります。正確には、パイナップルと、イーストと、マウイの天然水。この3つの原材料でつくられているのが、マウイ島「ハリイマイレディスティリング」の「パウマウイウォッカ」です。

糖、イースト、アルコール

「このタンクの中身が、発酵中のパイナップルジュース。あと数日で蒸留工程にうつるよ」
2019年、父から主任蒸留士の職を引き継いだコーリー・ニグバーが案内してくれます。蒸留所の隣に広がるフィールドから収穫された、マウイゴールドパイナップルをジュースに加工。それを水、イーストとタンクに入れて1週間ほど発酵させるのが、パイナップルウォッカづくりの最初の工程です。
「イーストがパイナップルの糖を分解することでアルコールを生み出すんだよ」

理科の授業を思い出そう

発酵したパイナップルジュースは、まず1回目の蒸留工程に入ります。
「ここで使うのは、ステンレス製の蒸留器。中にはヒーターがついていて、その熱でアルコールを蒸発させる。蒸気が管の中を上がっていくと、今度は冷たい水を使ったクーラーで冷やされてアルコールは液体に。それを集めていくんだ」
ウイスキーの蒸留と同じ考え方だよ、とコーリー。内容は科学の授業のようになってきました。

エタノールって、おいしいの?

「アルコールの純度を高めるために2回目の蒸留をするんだけど、そこで使うのがこの世界にひとつのガラスの蒸留器だよ」
これはコーリーの父マークが開発したオリジナル。この蒸留器で再び熱を使ってアルコールを気化させると、純度の高いエタノールだけが上部まで到達。それが冷やされ液体となります。
「エタノールこそが、僕たちがおいしく飲めるアルコール。メチルアルコールなど、それ以外の成分はてっぺんまで到達しないから、そうやってアルコールの選別を行う作業なんだよ」
エタノール、と聞くと消毒液のイメージですが、私たちがお酒として飲んでいるのもエタノールだったのですね。勉強になります。

控えめに、パイナップル

2回目の蒸留で取り出した液体は、アルコール度数じつに95度。これをマウイの天然水で割り戻して40度まで下げ、ボトル詰めしていきます。基本的に無味無臭と言われるウォッカですが、パウマウイウォッカは後味にほんのり甘いパイナップルのニュアンスが。40度とは思えないそのマイルドな飲み口を、ぜひ一度お試しください。