2019 08.30 fri

働き者ジャンさんが
マウイアップカントリー
を始めるまで

This is How Jan Started
Maui Upcountry Jams and Jellies
MAUI UPCOUNTRY JAMS AND JELLIES

「15歳で始めたパイナップル工場でのアルバイトが最初の仕事ね」
マウイ島クラに「マウイアップカントリー」というジャムやシロップの工房をもつ、ジャン・ヨコヤマは自身の高校時代を懐かしそうに振り返ります。
「皮をむいて、芯をとって、カットして。『パイナップルトリマー』という仕事よ。そのときハワイの一大産業だった、パイナップルの缶詰をつくる工場だったの」
強力なたんぱく質分解酵素をもつパイナップル。ジャンの腕にはそのときについた傷が、勲章のように無数にあります。

午前中は学校、夜9時までお仕事

短大時代には、学校に通いながらお菓子工場でフルタイムで働いていたというジャン。
「8時から12時まで学校。そのあと午後1時から夜の9時まで働いていたわ」
なんと勉強熱心で働き者なのでしょう。
「あとは、義理の妹の花屋を手伝ったり、テレホンオペレーター、学校で会計を専攻していたから、経理関係で働いたこともあったわね」
そんな彼女が、現在工房のある場所でビジネスを始めることになったのは1987年ごろでした。

バラが夕飯のおかずになる?

バツイチのジャン。あるとき元だんなさまが突然農園を始めたいと言い出したそう。ローズガーデンです。でも、なんでまたバラ園だったのでしょうか。
「知らないわよ~彼に理由なんてないわ! 農業なんて大変な仕事なのに。それでその大変な仕事を誰がやっていたか知ってる? そう、全部私よ(笑)」
建物もなく、草ぼうぼうだった場所を開墾してバラの栽培を始めました。売れ行きはというと、「…最初のころは、ディナーのおかずにバラを食べようかと思ったくらいよ!」。ジャンは大きな声で笑います。

神さまは見ている
1991年には、元だんなさまと別々の道を歩んでいくことを決めたジャン。ふさぎ込んでいてはいけないと、自宅でリリコイ(パッションフルーツ)ジャムをつくって友人に配っていたといいます。もともとジャムづくりは得意だったんだね、と聞くと…「だって、ひとりで毎日部屋で座ってしくしく泣いてるだけ、なんていやだったから」。うーん、たくましい!
「そうこうして何年かすぎたころ、知人から紹介されて『マウイアップカントリー』のビジネスを創業者から引き継ぐことになったのよ」
働き者のところには、神様が天職を与えてくれる――。ジャンの話を聞いていると、そんなふうに思えてくるのでした。

BRAND ブランド紹介

MAUI UPCOUNTRY JAMS AND JELLIES
マウイアップカントリー マウイ島

マウイ島、ハレアカラ山麓のさわやかな高原エリアにある小さなジャム工房。畑で育てるフレッシュフルーツを中心とした素材を使って、ジャン・ヨコヤマがジャムやシロップ、マスタードなどをつくっています。彼女のキッチンで手づくりされる商品の数々は、くだもの・野菜本来の味わいを生かしたどこか懐かしい素朴な風味です。