2019 07.19 fri

香ばしく甘いにおい
カウアイクッキー
幸せな思い出

Mom’s Crispy Cookie for You!
Ruth and Ann from Kauai Kookie
KAUAI KOOKIE

アイランドスタイルのクッキーが評判の「カウアイクッキー」。「クッキー」の綴りは本来の「COOKIE」ではなく、「KAUAI」に敬意を払って「KOOKIE」と記す、島を代表するブランドです。現オーナーは、姉ルース(写真右)と妹アンのハシサカ姉妹。100年ほど前に日本から移住してきた祖父母をもつ日系3世です。ルースとアンの母メーベル・ハシサカが、カウアイクッキーの創業者。1965年、アンが生まれてすぐあと、ルースが小学生だったころに始めたのだといいます。最初は実家が経営する雑貨店兼食料品店でだすちょっとしたスナックだったというクッキーですが、それがたちまち評判に。50年以上も続く老舗ブランドとなりました。

教育が人生を決める

ルースとアンの祖父母は、カウアイ島で初めての現金取引を採用するなど、とてもビジネスセンスに優れた人たちでした。彼らはとても教育熱心で、メーベルは大学の修士号まで取得したといいます。女性が大学まで行くことすらとても珍しい時代。「それでもおじいちゃんとおばあちゃんは、教育がいかにその人の人生を左右するかということをものすごく考えていたの」。アンはそう話します。カウアイクッキーを始める前は、特別学級の教師として働いていたというメーベル。その職を辞め、ファミリービジネスだったスーパーマーケットでフルタイムで働くことになり、そこでクッキーを焼くようになったのです。

甘い香りとやさしい記憶

「アンはよく店の手伝いをしていたけど、私はあんまりだったわ」。おねえさんのルースは笑います。商品開発はほとんど母メーベルで、たまにアンも手伝っていたとか。「ふたりはクリエイティブな人種なの。私は全然ダメ」。でも、細かいところにまで配慮が届くアンと、竹を割ったような性格で現場をてきぱきと仕切るルース。どちらが欠けてもいまのカウアイクッキーはなかったのでしょう。
仕事で好きなところは?という質問に、少し悩んでから「なんといってもクッキーの焼けるあのにおい」と答えるルース。「新婚旅行で来たカウアイに、何十年後にまた戻ってきてくれる人がいたり、感謝の手紙をくれる人がいたり。幸せな仕事よね」。甘く香ばしい香りの中で、今日もやさしい記憶が重ねられていきます。

BRAND ブランド紹介

KAUAI KOOKIE
カウアイクッキー カウアイ島

1965年に日系2世のメーベル・ハシサカが創業した老舗クッキーブランド。始めは家族の経営する食料品店でお客さんのために焼き始めたというクッキーでしたが、いまやハワイを代表する人気ブランドに。ドレッシングのラインナップも立ち上げ、20年以上にわたりそのトロピカルなフレーバーを届けています。現在はメーベルの娘、ルースとアンが運営。