Made in Hawaii Festival でダントツ人気!
毎年ホノルルで開催される、大人気のイベント「Made in Hawaii Festival」。ハワイの各島からハワイ産のフード、ドリンク、アート、そしてアパレルなどが一同に介する一大イベントで、ローカルからも旅行者からも愛されています。
2024年夏に、ハワイ・コンベンション・センターで開催された「Made in Hawaii Festival」も大盛況だったのですが、その中でどこよりも長い行列を作って一際目立っていたのが「ファイティング・イール(Fighting Eel)」のブースでした。
ブースの周りをぐるっと囲むように列ができる様は、まさに圧巻。このフェスティバルで発表される「新作」をいち早く手に入れようとするファンの熱気のすごさが、今でも忘れられません。
ハリウッドのセレブにも愛される、ローカルブランド
「ファイティング・イール」とは、2003年にハワイ在住デザイナーのラン・チェンさん(上の写真)が仲間とともに立ち上げたアパレルブランド。ハワイ大学でファッション・デザインとマーチャンダイジングを学んだランさんの知識とセンスが生み出す、上質なハワイ発のファッションスタイルが、とにかく人気なのです。
約20年前にブランドを立ち上げた頃は、まずアメリカ本土へ進出。バーニーズ・ニューヨーク、ノードストローム、ニーマン・マーカスなどの大手百貨店や、ビバリーヒルズの有名ショップなど数百におよぶアカウントを持ち、ワンピースやロンパースなどを販売していたのだそう。
「Fighting Eel Signature Jersey」と呼ばれる、オリジナルのジャージー素材を使ったドレスやロンパースは、スタイルを良く見せてくれる程よいフィット感と、とろけるような肌触りがスペシャルで、ハリウッド女優やシンガーなどのセレブも顧客に。
まさに、アメリカン・ドリームですよね。
ダウンタウンのファクトリーで一枚ずつていねいに
でも、その後自分たちのルーツであるハワイで「自分たちの店舗を構える」という形にスタイルを変更。現在は、ダウンタウン、カイルア、カポレイに店舗を構えて、ハイセンスなローカルに愛され続けているのです。いわゆる「ホールセール」はストップ、基本的に自分たちの実店舗とオンラインショップだけで、確実にファンを増やし続けるブランド力の強さ……。その秘密をランさんに聞いてみました。
「明確な理由は私たちにもわからないのよ。でも、あるとすれば変わらない品質へのこだわりと新しいものを生み続けるパッションを、地元のみなさんが応援し続けてくれてるのかなって。ブリント、ファブリック、パターンなど、すべてがオリジナル。洋服はダウンタウンのファクトリーですべて縫製もしているし、隔週で新しいデザインも発表するようにもしているわ」とランさん。実際、工房も見学させてもらったのだけど、熟練の縫子さんが丁寧に作業している姿は感動ものでした。
2012年には、姉妹ブランド「アヴァ・スカイ」も立ち上げ、2013年には、ハワイ州知事が選出するファッション・アワードも受賞。ハワイのファッション界を代表するブランドとして躍進し続けるファイティング・イール。
レディースファッションから始まり、メンズ、キッズも展開。母娘でおそろいを楽しめるデザインも豊富です。最近はバッグやホームアクセサリー、キッチンアイテムなども手掛けていて、その勢いはまさに誰にも止められない、といったところ。「まだまだ新しいことを続けていくつもりよ!」というランさんのパワフルさ、本当に素敵です。
ランさん自身のヒストリーも、聞けば聞くほど魅力にあふれているのだけれど、それはまた別の機会にじっくりご紹介させてくださいね。