ハワイ島カウ地区でコーヒー農園と焙煎所を営む、「ラスティズハワイアン」。ハワイのコーヒーといえば島の西側で栽培されるコナコーヒーが広く知られていますが、カウは南部のエリア。近年人気が上昇している注目のコーヒー豆です。そんなラスティズハワイアンのラルフから届いた、今週のお仕事の様子をご紹介しましょう。
島の中でも旬の時期はさまざま
コーヒー豆は1年を通じて店舗の棚から姿を消すことはまずないこともあり、豆の「旬」というものについて考えたことのある方は少ないかもしれません。しかし、コーヒーはれっきとした農産物。地域によって収穫時期も異なります。
「8月から1月の間に収穫期を迎えるコナに対して、カウでは秋から冬、春とより長い期間収穫できるんだ」と、ラルフ。4月のこの時期に農園を歩くと、やっと花をつけたばかりの木もあれば、緑の実をつけている木、赤く熟して収穫を待つ木も。さまざまな状態のコーヒーツリーを目にすることができるのです。
収穫のあとに剪定、その理由
収穫を終えると4年に一度、来年以降に向けて剪定することも彼らの大切なお仕事。写真のような雲の出た涼しい日は、ラルフがチェインソーをもって畑に立ちます。コーヒーの木はうかうかしているとすぐに大きくなって、190㎝以上あるラルフの身長を優に超えてしまいます。これを剪定をすることでよりたくさんのコーヒーチェリーが実るようになり、また高さを低く統一して収穫がしやすくなるというメリットもあります。さらに、「ひとつの区画をいっきに剪定することで、コーヒーノミキクイムシという害虫も一掃することができるんだ」。日々自然を相手にする彼らの苦労が垣間見えます。
こうして愛情を込めて育てられたコーヒーチェリーは収穫され、果肉を除去、発酵。そして焙煎されて、やっと私たちのもとに届くのです。
photo by Joan Obra, Rusty’s Hawaiian