2019 02.05 tue

カウアイ島ハナレイ
水鳥とタロイモの
サンクチュアリ

Taro and Birds Sanctuary
Hanalei, Kauai
TARO BRAND

「タロイモは、葉を切り落とした茎を植え付けてまた育てるんだ。収穫したのと同じ日に植え付けまでやるのがうちの家族のやり方。それもあって、作業開始は朝の3時半だよ」
マーク・コガは、カウアイ島北部のハナレイに暮らす日系タロイモ農家。地区の9農家で150エーカーの畑を耕しています。

ハワイアンにとってのタロイモ

タロイモは、主に水を張った「ロイ」と呼ばれる水田で育ち、さといもに似た大きな葉っぱが特徴。古くからハワイで主食として愛され、蒸してすりつぶし、ペースト状にした「ポイ」が伝統的な食べ方です。ハワイアンの人々はタロイモから生まれた、という伝説があることからも、文化的にもいかに重要な存在であったのかがわかります。
「昔はハワイのどの家庭のテーブルにも必ずポイがあったっていうよ。日数がたつと、菌の働きでだんだん発酵する。絶対に捨てることはせずに、そこに新しいポイを足していくんだ」
その栄養価と消化の良さから、赤ちゃんの離乳食としても重宝されるポイ。近年は大豆、乳製品などにアレルギーをもつ人々向けの代替食としても注目を集めています。

自然保護区でもあるハナレイのタロイモ畑

ハワイのタロイモのなかでも、ベストとの呼び声が高いのがここハナレイ産。背後に雄大な山々を背負った水田の様子は、どこか日本の里山のよう。自然保護区でもあり、さまざまな水鳥が畑に遊びます。
「彼らにとっては、僕たちがゲスト。ここはずっと昔から水鳥たちの土地なんだ。僕らは彼らの住処を守るために、毎日せっせと働いているようなものさ(笑)」
マークは冗談ぽくそう話しますが、大きな自然の中に人間がお邪魔させてもらっている――。その謙虚なきもちがあるからこそ、おいしいタロイモが育つのでしょう。

この商品にまつわる出来事

BRAND ブランド紹介

TARO BRAND
タロブランド オアフ島

1946年、小さなポイ製造所としてスタートしたHPC社の、タロイモを使った商品ラインが「タロブランド」。「ポイ」とは、タロイモを蒸してすりつぶし、発酵させた伝統食。高い栄養価と非アレルギー性であることから、離乳食としても注目されています。HPCは、このタロイモ文化を後世につなぐべく活動しているローカルカンパニーです。